スポンサーサイト
category: -, auther: スポンサードリンク
2010.12.28 Tuesday
- | -
『山月記』 中島敦
隴西(ろうさい)の李徴(りちょう)は博学才穎(さいえい)、天宝の末年、若くして名を虎榜(こぼう)に連ね、ついで江南尉(こうなんい)に補せられたが、性、狷介(けんかい)、自(みずか)ら恃(たの)むところ頗(すこぶ)る厚く、賤吏(せんり)に甘んずるを潔(いさぎよ)しとしなかった。いくばくもなく官を退いた後は、故山(こざん)、略(かくりゃく)に帰臥(きが)し、人と交(まじわり)を絶って、ひたすら詩作に耽(ふけ)った。
(不破さんのおすすめ)
『我が心は石にあらず』 高橋和巳
もし築きあげえたことの成果でものの価値が計られるのなら、
私たちの間の愛情はまことに価値寡いものだった。
また純粋さというものが、第一に尊重されねばならぬ倫理であるのなら、
私たちの関係は、その第一義的な真実にも欠けていたことになる。
(ツナミンさんのおすすめ)
Comments
2008/06/02 11:14 PM
僕はこれ。寺山修司の「ポケットに恋唄を」。
言葉のパンチにノックアウトされました。
”軽い男がいた。
歩いていると、ときどき軽すぎて体が少し浮くような感じがした。
気がつくと足が地上から少し浮いていた。”
読み続けない訳には行かない。そういう書き出し。幻想的な内容。
重みのある結末。ああ、好きだな。
2008/06/02 11:35 PM
紹介いただきありがとうございます。
こうしてあらためて読んでみると、やっぱりいいねえ「山月記」(笑)
ツナミンさんお薦めの高橋和巳の著作もまたいい。
非常に理知的な書き出しで、ツナミンさんが評価する理由も分かる気がする。
「小説の書き出しシリーズ」は、実はかなり前から構想を持っていて、以前オフの席でもwarmgunさんに話したことがありましたが、なんとなく機会を逸していました。
これを機に、僕も近々一つ打ち上げてみようかと考えています。
それが終われば「小説の結末シリーズ」だったりして(爆)
でも、これはひんしゅくを買いそうだからやめとこうね(笑)
2008/06/03 8:17 AM
おはようございます。
寺山修司、いいですよね〜♪
詩や散文もいいけど、短歌にドキッとします。
もう少女じゃないのに、昨年は「少女詩集」をよく携えてました(笑)
もちろん、しっかりカバーつけて(爆)
寺山さんの本、何冊かもってるんですけど、これは持ってなくて、いま調べてみたら
1957年の本は、¥ 998,000 なんてスゴイお値段がついてました(汗)
とてもとても手が出ないので、宇野 亜喜良さんの絵が添えられた3冊セットの
「ひとりぼっちのあなたに」を買ってみようかと思います。
しばらく恋を休んでるわたしにプレゼントしてしまう(笑)
すぐにこたえてくれて
お名前の由来を教えてくれてありがとう♪
(すこしずつさかのぼって記事読ませてもらってるんだけど、まだ2006年追いつかない・苦笑)
近いうちに必ず手に入れて読みますね♪
2008/06/03 8:24 AM
おはようございます。
あらら、不破さんがあたためてたのを横からさらっちゃった(笑)
ごめんなさい〜、というか、ありがとう、いただきました(笑)
うんうん、ほんと、いいですね 『山月記』
不破さんに中島さんのことをお聞きしてから読みかえしたら
李徴がメガネをかけた中島敦さんの姿で動いてました。
んん?
小説の結末はヒンシュクかっちゃいます?(笑)
あぁ、推理小説の結末を書いちゃまずいかもしれない(笑)
けど、結びの言葉1〜2行くらいなら、よくなくない?
しばらくこっちの世界に戻ってこれなくなりそうな・・・
なんともすばらしい余韻をのこしてくれる結びの言葉って、かなりありそうですよね?
2008/06/04 7:13 PM
できればもう少し長く引用して頂きたかった気もする反面、実は最初の第1文だけで私はすでにこの小説に引き込まれたのも事実です。
私も関連記事を書きたいと思っているのですが、大人になってから読んだ小説の書き出しではやはり『我が心…』が一番です。子供の時に読んだ本は手元にないので、比較できないのが残念です。
nadjaさんの書き出し印象本の紹介も楽しみに待っています♪
*なお、私は別に、理知的であったり格調の高い書き出しが好きなわけではありません。それについては、いずれ自分のブログでも書きたいと思っています。
2008/06/08 10:47 AM
「またカフカですか〜。もういいよ。わかったよ」、という感じなのですが、カフカの「変身」の書き出しを挙げてみました。この小説は、この書き出しの一行だけ読めば、後は読まなくていい、と思わせるくらい、書き出しに全部が凝縮されているように感じます。
2008/06/09 3:46 PM
お返事がものすごーく遅くなってしまってごめんなさい。
ちょっとまだ出先なのです(汗)
2〜3日中には帰る予定ですので、トラックバックしてくださった記事読ませてください〜(涙)
実は 「小説」って括ってしまって、ちょっと失敗だったかな、って思ったりしました。
エッセイでも、最近の新書に多い軽めの専門書でも、
詩集や詩文集、画集や漫画にも、すごく惹かれる書き出しのものって
たくさんありますよね。
『我が心は石にあらず』 戻ってゆっくり読むのが楽しみです♪
そうですよね、この先もよかったですよね。
でも、わたしもこの部分だけで、ドキッとしました。
2008/06/09 3:53 PM
わぁ、ありがとうございます。
ちょっと突発的な事態で出先なのですが、帰ったら鏡さんにお願いにあがるつもりでした。
カフカの本の書き出しで、おすすめありますか?って。
お願いにあがる前に答えてくださってありがとうございます。
『変身』 この書き出し、読みかえすたびに、ズキンとくる度合が大きくなります。
とんでもない事態になってるのに、夢じゃないんだ、ってはっきりわかるのに
なんなんだ、この落ち着きよう・・・って思います。
『禿鷹』の書き出しも、どこか俯瞰している、というか。
それは禿鷹だった。足を抉りに来る。でしたっけ?
結びが、ほっと安堵した。っていうものでした。全然、楽観的な終わり方じゃないのに。
話が逸れちゃいました(汗)
のちほど、記事で紹介させてくださいね、TBもお願いします。
鏡さん、ありがとうございました。
2008/06/09 9:33 PM
守備範囲ではありませんが、その昔、山口百恵主演「風立ちぬ」の映画から、
堀辰雄をパラパラと。(笑)
それらの夏の日々・・・という書き出しから、
八ヶ岳の夏の夕暮れの風情を切り取った文章、案外好きですね。
(でも、ほとんど忘れた、大汗!)
2008/06/10 4:43 PM
>ようやく暮れようとしかけているその地平線から、反対に何物かが生れて来つつあるかのように
って、結ばれる書き出しなんですね。
うん、すごくきれいです。
薄野原で無心に絵を描いてる美少女、それを白樺の木陰で横になってみている青年。
やがて茜色の夕暮れにあたりはつつまれていくんですね。
わずかに不穏な感じが美しい自然の風景描写にひそんでる感じがします。
守備範囲にないっておっしゃるけど、寝っころがってミステリを読むsyuguruさんも
こういった純愛文学(なのかな?)に胸を熱くするsyuguruさんも同列に想像できちゃいます(笑)
『ミザリー』 って、キング?
あぁ、ダメです〜、怖すぎる(泣)